歯周病は歯を失う原因のトップであり、虫歯と並び歯を失う大きな原因となっています。
歯を失う原因の4割以上は歯周病であり、歯周病は国民病とも言えます。
歯周病とは、歯と歯茎の間に細菌が繁殖し、炎症を起こす病気です。
歯と歯茎の間に歯周病菌が侵入し、歯槽骨に到達すると歯槽骨を破壊します。
要するに、歯周病になると歯肉や支える骨が溶けてしまいます。
歯周病が悪化し、重度化すると歯周炎(歯槽膿漏)になり、最終的には歯が抜け落ちることもあります。
歯周病は、初期段階ではほとんど自覚症状はなく、気が付いた時には症状がかなり進行してしまっていることが多いことから「サイレント・ディジース(静かな病気)」と呼ばれています。
そのまま放置しておくと、歯の寿命を縮めるだけでなく、健康な歯にも悪影響を及ぼし、お口の中全体が悪くなっていきます。
歯周病はお口の病気ですが、重症化してくると細菌や細菌が作った毒素が血液を介して全身を巡ることで様々な疾患を引き起こすリスクがあることがわかっています。
また、最近では歯周病と糖尿病は互いに悪影響を与えあうことが判明しています。
お口の健康は全身の健康と密接に関係しているのです。
こんな症状に心あたりはありませんか?
● チェックが0個
これからもきちんと歯みがきを心がけ、少なくとも1年に1回は歯科健診を受けましょう。
● チェックが1〜2個
歯周病の可能性があります。まず、歯みがきのしかたを見直しましょう。念のため、歯科医院で歯周病でないかどうか、歯みがきがきちんと出来ているか、確認してもらった方がよいでしょう。
● チェックが3〜5個以上
初期あるいは中等度歯周炎以上に歯周病が進行しているおそれがあります。早めに歯科医師に相談しましょう。
公益財団法人8020推進財団より引用
医院ではまずは歯茎を検査します。
それから歯をクリーニング、歯石を除去します。
それから再検査し、改善が見られない場合は歯周病外科手術を行うこともあります。
まずは現状を把握するため、患者様のお口の中を撮影します。
また、骨の状態を把握するためにレントゲンを撮影を行っています。
歯周ポケットの深さ、炎症・出血の有無、歯石の付き具合、歯がグラグラしていないかなどを調べます。
歯周病の原因となっているプラークを取り除くために歯の表面に付着した歯垢や歯石を除去します。
歯肉炎や初期の歯周病であれば、汚れ(歯垢、歯石)をクリーニングするプロフェッショナルケアで治ることもあります。
必要に応じて歯みがきの仕方を提案させていただくこともあります。
正しいブラッシングは、きれいな口腔内を維持することにつながり、治療の効果を高めることにもつながります。
汚れ(歯垢、歯石)の除去と正しいブラッシングで初期の歯周病であれば症状は緩和されますが、中等度以上の場合はそれでは治りません。
そこで2回目の検査をします。
2回目の検査で改善が見られない箇所については歯の根の歯石を丁寧に除去します。
歯周ポケットの歯石を除去する(SRP、スケーリング・ルートプレーニング)ことで歯周病は大きく改善します。
この処置により中等度の歯周病であれば改善する可能性が高いです。
改善すれば後は定期的にメインテナンスしていきます。
歯周病は初期段階では自覚症状はほとんどなく、気が付いた時にはかなり進行していることが多いです。
そうなる前に、定期健診を受けるなどしてお口の健康を守っていくことが大切です。
お口のことで気になることがありましたら、歯科医や衛生士にお気軽にご相談ください。