歯に限らず、体の一部が腫れているということは、炎症が起きているということです。
現象には必ず原因があり、原因によって対処法が異なります。
こちらでは主に考えられる原因をご説明します。
もし歯茎が腫れた場合は、正確に診査、診断をしてくれる、信頼できる歯科医院を受診しましょう。
まず、虫歯が原因の場合が考えられます。
虫歯が進行し、C3やC4になると、虫歯菌が歯の神経に侵入し、歯の神経に炎症が起こります。
それが歯の根の周りにまで影響し、歯茎が腫れます。
虫歯の再発や虫歯の取り残しで起こることもあります。
歯の神経が生きている場合は急性の歯髄炎、歯の神経が死んでいる場合は急性の根尖性歯周炎であることが考えられます。
この場合は歯の神経を治療する必要があります。
死んだ神経を取り除く、もしくは神経が死んでいる場合は、ばい菌で汚染された神経の通り道を消毒して炎症を改善する処置をします。
歯茎の腫れや出血は歯周病の典型的な症状です。
歯肉炎は歯茎のみの炎症ですが、進行すると歯の周りの組織にまで広がり、歯周炎になります。
歯茎から汚れが侵入し、歯石になり、歯周病菌の住処となると、歯周病を引き起こす細菌が骨を溶かす毒素をさらに排出します。
歯茎の腫れや出血を放っておくとさらに進行し、歯茎から膿が出る、歯が動揺するなどの症状が出てきます。
最終的には歯が抜けてしまいます。
歯根破折とは、歯の根にヒビが入り、歯の根が割れている状態のことです。
歯根が折れると、そこが感染源となり歯茎が腫れます。
腫れる場所は折れ方により異なります。
歯根破折は多くの場合、歯の揺れを伴い、噛むと痛む、熱い物で痛む、お風呂などで体が温まると痛む、などの症状が出ることもあります。
治療法は、多くの場合、抜歯になることが多いです。
親知らずは一番奥に生えてくる永久歯ですが、斜めに生えてくるとそこにばい菌が溜まり、親知らずの周りの歯茎が化膿して腫れることも多いです。
これを智歯周囲炎といいます。
親知らずとその手前の歯の間に汚れや歯垢が溜まり、歯肉が炎症を起こし、骨が溶けてしまうこともあります。
最悪の場合、親知らずが原因でその手前の歯が抜歯になってしまうこともあります。
口内炎で歯茎が腫れることがあります。
歯茎に口内炎が出来、そこから細菌に感染すると歯肉が腫れます。
対処法は口内炎の原因により異なりますが、お口の中を清潔にし、うがい薬でうがいする、場合によっては抗生物質を投与することもあります。
歯茎の状態を良好に保つためにはお家でのセルフケアと歯科医院でのプロフェッショナルケア、両方を組み合わせるとよいでしょう。
1. 鉛筆を持つように歯ブラシを持ち、ブラシの毛が曲がらないくらいの軽い力で磨く
2. 歯ブラシの毛は歯に対して45°の角度で当たるようにし、前後に小刻みに動かす
3. 1~2本ずつ磨き、一か所につき20回前後磨く
4. 前歯は歯ブラシを縦に使います
歯と歯の間など、歯ブラシが届きにくい箇所はフロスや歯間ブラシを使うようにしましょう。
定期健診を受けることで虫歯や歯周病などの症状を事前に発見しやすくなります。
また、ブラッシングの仕方を聞いたり、歯のクリーニングもしてもらえるので、口腔環境を良好に保つために大変有効です。