口を開けると音が鳴る、もしくは頬あたりに痛みや違和感を覚える場合、歯科医院か、口腔外科を標榜する医院を受診することをおすすめします。
口を開けると痛い原因は?
日常生活において「食べ物を口に入れようと開けたら頬が痛む」「口を閉じると音が鳴る」「口を開けにくい」の症状がある場合、もしくは口の開閉時にゴッキン等と音が鳴る際は、無理やり口を開けないようにしましょう。
このような症状に心当たりがある方は、顎関節に何かしらの炎症がある場合が多いです。口を大きく開ける動きにより負担になり、より症状が重くなる場合があります。
顎関節症(TMD)
口を開けると痛みを感じる原因の一つとして顎関節症が考えられます。顎関節に過度な負担がかかることで、顎の動きに支障が出て痛みが生じます。特に、食事や話すときに違和感や痛みを感じる場合は、顎関節症の可能性が高いです。
顎関節症の原因
- 歯ぎしりや食いしばり・・長時間の強い噛みしめが顎関節に負担をかける
- 噛み合わせの不良・・歯並びや噛み合わせが悪いと、顎関節に負担がかかる
- ストレス・・精神的なストレスが筋肉の緊張を引き起こし、顎関節に影響を与える
- 外傷・・顎への衝撃や怪我が顎関節にダメージを与える
- 姿勢が悪い・・頭を前に突き出した姿勢が、顎の筋肉や関節に負担をかける
歯の噛み合わせの問題
噛み合わせが悪い場合、顎関節に負担がかかり、痛みが発生することがあります。長期間の歯ぎしりや食いしばりが原因となり、顎の筋肉や関節に炎症が起こることもあります。
親知らずや歯の炎症
親知らずが正しく生えずに周囲の歯肉や顎の骨に影響を与える場合、口を開けると痛みを感じることがあります。また、虫歯や歯周病が原因で歯や周囲の組織に炎症が起き、痛みが広がることもあります。
顎関節症とは
顎関節や咀嚼筋の痛み、顎関節で発する雑音、開口障害など、一つ以上の症状がある場合、医院では顎関節症と診断されます。関節円板と呼ばれる骨と骨の間にある組織が通常よりもすり減り、もしくはずれてしまい、下顎頭の骨と骨が接触し、痛みが起こることが多いのが特徴です。
上顎は頭蓋骨の一部ですが、下顎はそれとは異なり、顎関節にぶら下がっています。顎関節は筋肉や関節、神経が集中している部位であり、それらが下顎を支えていますので、食事を行ったり人と話をする時に口を開け閉めすると、下顎は連動します。
顎関節に何らかの異常がある場合、あごや顎関節に不快感や不調を覚えることが多いです。具体的にはきちんとあごや顎関節が動かないため、左右の歯で食べ物を噛みにくい、大きく口を開けると変な音がして違和感があるなど支障が出ます。それが続けば周囲の筋肉に痛みが生じ、口を開けることが億劫になります。
顎関節症放置しているとどうなる?
顎関節を放置していると、顎のみではなく、全身に症状が広がるリスクがあります。肩や首のこり、指や腕のしびれ、偏頭痛、目の痛み、めまい、耳鳴り、鼻づまり、嚥下困難などを感じる場合、まずそれぞれの部位に原因があるのではと疑いますが、実は顎関節症が原因というケースもあります。
顎関節症の疑いがある場合は、必ず早めにクリニックを受診し、歯科医師の診断を仰ぐようにしましょう。重度の顎関節症の方の場合、放置しておいたがために、あごが機能せず破壊が生じるというケースもあります。
痛みを悪化させないための注意点
硬い食べ物を避ける
硬い食べ物を噛むと、顎関節に過度な負担がかかり、痛みが悪化する可能性があります。痛みが強い場合は、柔らかい食事を選ぶようにし、顎を休めることが重要です。
大きく口を開ける動作を控える
あくびや大声で話すなど、大きく口を開ける動作は、顎関節に負担をかけるため、控えることが望ましいです。痛みが引くまでは、口を開ける幅を意識して小さくすることで症状が緩和されることがあります。
口を開けると痛いときの対処に関するQ&A
顎関節症の典型的な症状には、顎関節や咀嚼筋の痛み、顎関節で発する雑音、口を開ける際の障害などが挙げられます。これらの症状が一つ以上見られる場合、医院で顎関節症と診断されることがあります。
顎関節症の対処方法としては、無理な口の開け閉めを避けることが重要です。口を大きく開ける動作は負担となるため、これを避けることで症状の軽減が期待できます。また、症状の軽い場合は自己管理が可能な場合もありますが、重度の場合は専門の医師の指導を仰ぐことが必要です。
顎関節症の早期発見には、口を開け閉めする際に痛みや異常な音がある場合、口を開けにくいなどの症状に注意することが重要です。これらの症状が続く場合は、早めに専門のクリニックを受診し、適切な診断と治療を受けることが大切です。
まとめ
「口を開けると痛い」「頬に違和感」「噛み合わせ悪いかな?」など気になる場合は、一度歯科医院へご相談ください。ドクターやスタッフが状態を確認し、必要な治療法をご提案します。
片側で噛む癖や噛み合わせの悪さ、緊張やストレスによる歯ぎしりや食いしばり、姿勢の悪さなど原因が判明すれば、お口の痛みの改善へとつながっていきます。