矯正歯科

歯の中心がずれてる場合の治し方

歯の中心がずれてる場合の治し方

歯の中心線、つまり上顎と下顎の前歯の中央が一致しているかどうかは、見た目のバランスだけでなく、噛み合わせや顎関節の健康にも影響を与える重要なポイントです。歯の中心線がずれる原因やその影響、そして改善するための治療法や日常的なケアについてご説明します。

歯の中心線のずれとは

歯の中心線のずれとは、上顎と下顎の前歯の中央が一致せず、左右に偏っている状態を指します。このずれは、見た目の問題だけでなく、噛み合わせや全身の健康にも影響を及ぼす可能性があります。

歯の中心線がずれる原因

歯の中心線がずれる理由は生活習慣や歯並びそのものの問題から、骨格の影響まで様々です。

1. 生まれつきの歯並びのバランスが悪い

歯の大きさや形、配置には個人差があります。例えば、左右の歯の大きさが異なる場合や、一部の歯が欠損している場合、歯列全体のバランスが崩れ、中心線がずれることがあります。

2. 生活習慣の影響

日常的な癖が中心線のずれを引き起こすことがあります。具体例としては以下のようなものがあります。

  • 片側噛み・・食事の際に片側ばかりで噛む癖があると、使われない側の歯が移動し、中心線がずれる原因になります。
  • 頬杖・・頬杖をつく習慣があると、顔や顎の骨格に圧力がかかり、歯列全体に影響を与えることがあります。
  • 指しゃぶりや舌癖・・特に幼少期のこれらの癖は、成長期の歯や顎の発育に大きな影響を与え、歯の配置に偏りを生む可能性があります。

3. 歯の喪失や虫歯の影響

虫歯や歯周病で歯を失ったり、治療を放置した場合、隣接する歯が空いたスペースに移動することで歯列全体のバランスが崩れます。その結果、歯の中心線がずれることがあります。

4. 親知らずの影響

親知らずが正常に生えてこない場合、隣の歯を押して歯列全体を歪めることがあります。この影響で前歯の中心線がずれるケースも少なくありません。

5. 骨格の問題

顎の骨格自体に左右差がある場合、歯列だけでなく顎全体の位置がずれることで、中心線のズレが生じます。これは遺伝や成長過程での骨格形成に影響されることが多く、矯正治療だけでは対応しきれない場合、外科的治療が必要になることもあります。

6. 詰め物・被せ物の不適合

過去の歯科治療が原因で中心線がずれるケースもあります。例えば、被せ物や詰め物が正しい位置で調整されていない場合、噛み合わせのバランスが崩れ、歯が移動してしまうことがあります。

7. 噛み合わせの悪化による連鎖的影響

初期の不正咬合が放置されると、噛み合わせのズレがさらに他の歯列に影響を及ぼします。例えば、片側で噛む癖から顎がずれ、それに伴って歯全体のバランスが崩れることがあります。

中心線のずれを防ぐには、これらの原因を早期に特定し、適切な治療や予防策を行うことが重要です。

歯の中心線のずれを放置するリスク

歯の中心線のずれを放置すると、以下のリスクがあります。

  • 噛み合わせの悪化・・食べ物を十分に噛めず、消化不良を引き起こす可能性があります。
  • 虫歯や歯周病のリスク増加・・歯並びの乱れにより、歯垢が溜まりやすくなり、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
  • 顎関節症のリスク・・噛み合わせの不調和が顎関節に負担をかけ、顎関節症を引き起こす可能性があります。
  • 頭痛や肩こり・・噛み合わせの問題が全身の筋肉に影響を及ぼし、頭痛や肩こりの原因となることがあります。

歯の中心線のずれを治す方法

歯の中心線のずれを改善するための主な治療法は以下の通りです。

1 マウスピース矯正

透明なマウスピースを装着し、歯を徐々に移動させる方法です。目立ちにくく、取り外しが可能であるため、食事や歯磨きの際に便利です。ただし、適用範囲が限られ、重度の不正咬合には向きません。

2 ワイヤー矯正・裏側矯正

歯の表面にブラケットを装着し、ワイヤーで歯を移動させる方法がワイヤー矯正です。装置を歯の裏側に装着するのが、裏側矯正です。歯の位置の細かな調整が可能で、幅広い症例に対応できます。しかし、装置が目立ちやすく、歯磨きが難しくなることがあります。

日常生活での予防とケア

歯の中心線のずれを予防するためには、以下の点に注意しましょう。

  • 正しい姿勢を維持する・・頬杖をつくなどの癖を避け、正しい姿勢を心がけましょう。
  • 左右均等に噛む・・片側だけで噛む習慣を改め、左右均等に噛むようにしましょう。
  • 正しい方法で歯磨きする・・歯並びに合わせた適切な歯磨きを行い、歯垢の蓄積を防ぎましょう。

定期健診の重要性

定期的な歯科健診を受けることで、歯の中心線のずれやその他の問題を早期に発見し、適切な対処ができます。歯科健診を継続して受けることは患者さんの歯の健康を守るだけでなく、不正咬合やその他の歯科疾患を防ぐためにも重要です。

定期健診のメリット

  • 歯の中心線のずれの早期発見
  • 歯垢や歯石の除去で虫歯や歯周病を予防
  • 矯正治療の進行状況を確認
  • 歯の磨き方や生活習慣のアドバイスを受けられる

まとめ

歯の中心線がずれている場合、その原因を探り、適切な治療法を選択することが重要です。日常生活での予防と定期的な健診を怠らず、必要に応じて歯科医師と相談しましょう。以下のポイントを意識することで、より健康的な歯並びを維持することができます。

  • 早めの対応・・小さなずれでも放置せず、早めに歯科医院を受診。
  • 正しい生活習慣・・姿勢や食生活の見直しで、歯並びへの悪影響を防ぐ。
  • 歯磨き・・歯磨きやフロスの活用で、歯垢がたまるのを防ぎ、歯を清潔に保つ。
この記事の監修者
医療法人真摯会 茨木クローバー歯科
院長 脇田 悠仁

徳島大学 歯学部卒業卒業。日本口腔インプラント学会。日本成人矯正歯科学会。日本臨床歯科学会(大阪SJCD) 学術委員・査読委員 兼任。日本臨床CADCAM学会。

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