冷たいものを飲食した時や、歯ブラシの毛先などが歯に当たると刺激で歯がしみる「知覚過敏」の症状にお悩みの方は多くおられます。
知覚過敏の痛みは不意に訪れ、一過性のものですが、大きなストレスになります。歯磨き粉の各ブランドから知覚過敏に効果のある商品が販売されていますので、知覚過敏用の薬用歯磨き粉についてご説明します。
目次
知覚過敏とは?
知覚過敏とは、冷たいものや熱いもの、甘いものや酸っぱいものを口にした際に歯がしみる症状を指します。歯の表面を覆うエナメル質が薄くなったり、歯茎が下がって象牙質が露出することで、神経に刺激が伝わりやすくなって痛みが起こります。
知覚過敏の原因
知覚過敏の原因はさまざまで、以下のような要因が考えられます。
- 過剰な歯磨き・・強い力で歯を磨くとエナメル質が削れます。
- 歯ぎしり・・就寝中の歯ぎしりがエナメル質を摩耗させます。
- 酸性食品の摂取・・酸性の飲食物がエナメル質を溶かします。
- 歯周病・・歯茎が下がることで象牙質が露出します。
知覚過敏に有効な薬用歯磨き粉の成分と効果
知覚過敏に有効な薬効成分は、「硝酸カリウム」と「乳酸アルミニウム」と「フッ素」です。この成分を含む歯磨き粉は、知覚過敏を抑える効果があり、多くの薬用歯磨き粉に含まれています。
これらの成分は象牙質の表面をコーティングし、歯がしみる知覚過敏の症状を緩和してくれます。ただし症状の緩和には個人差があり、すぐに効果を感じる方と、徐々に症状が治まっていく方がおられます。
- 硝酸カリウム・・歯の神経に伝わる刺激を抑制する
- 乳酸アルミニウム・・象牙質に空いている小さい穴にフタをして神経に刺激が伝わらないように保護する
- フッ素(フッ化ナトリウム)・・歯の表面を修復して強くする
これらの薬効成分を含んでいる歯磨き粉は、歯を磨く以外にもしみる歯の表面に塗りこんで塗り薬的な使い方をする方法があります。しかし、あくまでも歯磨き粉であり、塗り薬ではありませんので、これは一時的な対処として自己責任で行って下さい。
その際の注意点としては、塗った部分をティッシュペーパーなどで拭って歯の表面を乾燥させてから塗ることと、決して塗りすぎないことです。歯の表面が濡れていると、歯磨き粉の薬用成分が水分で流れてしまいます。また、多く塗ったからといって効果が増すわけではありません。
※薬用歯磨き粉の使用方法に歯に直接塗ってはいけないとの表示がある場合は、安全のため、必ずそれに従いましょう。
知覚過敏用歯磨き粉の正しい使い方
知覚過敏用の歯磨き粉は、正しい方法で使用することが重要です。以下のポイントに注意してください。
- 適量を使用する・・歯ブラシに1センチ程度の歯磨き粉を乗せます。刺激を感じる場合は少し減らしましょう。
- 優しい力で磨く・・軽い力で丁寧に磨きます。特に知覚過敏が起こっている箇所は優しくブラッシングしましょう。
- 一定時間続ける・・効果が現れるまで少なくとも1ヶ月間くらいは毎日使用しましょう。
化学成分を避けたい方向けの薬用成分
オーガニックの歯磨きにこだわっておられる自然派の方は、「リン酸」「カルシウム」「キシリトール」が配合されている歯磨き粉を選びましょう。
「リン酸」と「カルシウム」は歯の表面の主成分で、酸によって唾液中に溶け出してしまうとエナメル質が薄くなります。歯の表面を修復するために、これらを歯に補うことが大切です。
「キシリトール」には唾液分泌の促進と再石灰化作用という働きがあります。更に、歯垢の中の酸の中和を促進し、ミュータンス菌の代謝を阻害して酸を作らせなくします。
知覚過敏用歯磨き粉の選び方のポイント
知覚過敏用歯磨き粉を選ぶ際には、以下のポイントを考慮しましょう。
- 成分表示を確認・・硝酸カリウム、乳酸アルミニウム、フッ素が含まれているものを選びます。
- 医師の推薦する製品・・なるべく歯科医師が推奨する製品を選びましょう。歯科医院でしか販売していない商品も多くあります。
- 口コミを参考にする・・ご家族、友人、他の利用者の口コミやレビューを参考にします。
知覚過敏用歯磨き粉の効果的な使用期間と注意点
知覚過敏用歯磨き粉の効果は個人差がありますが、以下の点に注意して使用しましょう。
- 使用期間・・最低でも1ヶ月以上継続して使用しましょう。
- 過剰使用に注意・・必要以上に使用すると、逆に歯や歯茎に負担がかかる場合があります。
- 他のケアと併用・・歯磨き粉だけでなく、フロスやマウスウォッシュなども併用してお口の中を清潔に保ちましょう。
知覚過敏が改善しない場合の対策
知覚過敏用歯磨き粉を使用しても症状が改善しない場合は、以下の対策を行いましょう。
- 歯科医師に相談・・専門家の診察を受け、適切な治療を受けることが重要です。
- 知覚過敏の治療・・フッ素塗布や象牙質を保護するためにレジン(歯科用プラスチック)でコーティングするなど、専門的な治療を検討します。歯ぎしりが知覚過敏の原因になっている方は、ナイトガードと呼ばれるマウスピースを夜間に使用します。
- 生活習慣の見直し・・歯磨きの方法や食生活の改善など、生活習慣を見直しましょう。
知覚過敏は薬用歯磨き粉でどの程度治る?に関するQ&A
知覚過敏とは、冷たいものや熱いもの、甘いものや酸っぱいものを口にした際に歯がしみる症状を指します。これは、歯の表面を覆うエナメル質が薄くなったり、歯茎が下がって象牙質が露出することで、外部からの刺激が神経に伝わりやすくなり、痛みを引き起こす状態です。日常生活に大きなストレスをもたらすことがあります。
知覚過敏に有効な薬用歯磨き粉の成分には、硝酸カリウム、乳酸アルミニウム、フッ素があります。硝酸カリウムは歯の神経に伝わる刺激を抑制し、乳酸アルミニウムは象牙質の小さな穴をふさいで神経に刺激が伝わらないように保護します。フッ素は歯の表面を修復し、強化する働きがあります。これらの成分が知覚過敏の症状を緩和します。
知覚過敏用の歯磨き粉は、適量を使用し、優しい力で磨くことが重要です。歯ブラシに1センチ程度の歯磨き粉を乗せ、軽い力で丁寧に磨きます。特に知覚過敏が起こっている箇所は優しくブラッシングし、最低でも1ヶ月間毎日使用することで効果が期待できます。また、塗り薬的に使用する際は、歯の表面を乾燥させてから塗り、多量に塗らないように注意しましょう。
まとめ
知覚過敏用の薬用歯磨き粉は、知覚過敏の症状を緩和する効果がありますが、すべての症状を完全に治すわけではありません。主要成分である硝酸カリウムや乳酸アルミニウム、フッ素は、歯の神経への刺激を軽減し、象牙質を保護する役割を果たします。正しい使用方法と継続的なケアが重要ですので、最低でも1ヶ月以上使用して症状が改善しているかどうかを確かめましょう。
症状が改善しない場合は、歯科医師に相談し、専門的な治療を受けることが必要です。生活習慣の見直しも、知覚過敏の予防や改善に繋がります。知覚過敏用歯磨き粉を上手に活用し、日常のケアを続けることで、知覚過敏の不快な痛みを緩和しましょう。