虫歯にならない食べ方とは、規則正しい時間に、姿勢よく、集中して食べることです。食べ物にも注意しましょう。
虫歯にならないためには食べ方に注意!
虫歯にならないためには、食べ物のみに注意すればいいというわけではありません。いくら虫歯になりにくい食べ物にしようと気を付けていても、食べ方が良くなければ虫歯は起こりやすいです。虫歯になりやすい口腔環境を防ぐためには、食べ方にも注意が必要です。
虫歯にならないために:姿勢良く食べよう
まず、何よりも姿勢良く食べるようにしましょう。
肘を付いたりせず、背中を伸ばして正しい姿勢でいると、きちんと噛む事ができます。歯の健康のみではなく、胃などの消化面にも良い影響を与えます。
小さなお子さんは椅子から足をぶらぶらと浮かせることが多いです。足が浮くと、姿勢が不安定になりますので、足が床に着くように椅子の調整を行いましょう。高さを変えられない場合は、下に大きな箱や分厚い冊子を置いて足をしっかりと着けることが大切です。
食事中の姿勢が悪い場合の虫歯のなりやすさ
- 唾液の分泌が減少する ・・姿勢が悪いと、体が緊張状態になりやすく、唾液の分泌が減ることがあります。唾液には口内の酸を中和し、歯の再石灰化を促す働きがあるため、唾液の分泌が減ることで虫歯のリスクが高まります。特に、前かがみの姿勢や猫背で食事をする場合、唾液の流れが悪くなり、口内の自浄作用が弱まります。
- 食べ物が口の中に溜まりやすくなる ・・悪い姿勢で食べると、しっかり噛むことが難しくなり、食べ物が口の中に残りやすくなります。しっかり噛まずに飲み込むと、歯に食べ物のかすが付きやすく、歯垢の蓄積が増えることにつながります。食べ物が歯に長時間残ると、細菌が繁殖し、虫歯を引き起こしやすくなります。
- 十分に噛まずに飲み込む ・・姿勢が悪いと、しっかり噛まずに食べ物を飲み込むことが多くなります。口内に食べ物のかけらが残りやすく、これが歯垢となって虫歯の原因になります。また、歯の一部に負担がかかりやすくなることで、特定の部位が汚れやすくなり、虫歯が発生しやすくなることもあります。
- 消化不良が起こりやすくなる ・・姿勢が悪いと、消化にも影響が出ることがあります。消化不良を起こすと、胃酸が逆流しやすくなり、これが口内に到達することで酸が歯を侵食し、エナメル質を弱める可能性があります。これにより、虫歯のリスクが高まります。
虫歯にならないために:集中して食べよう
食事を摂る際は、食事に集中しましょう。テレビをつけて、食事を摂るご家庭も多いと思います。ただ、テレビを見ながらの、いわゆるながら食べは良くありません。どうしてもテレビに目が行き、食事を目で楽しむことができませんし、何より、噛む事が疎かになりがちです。
噛む事が疎かになると、噛む時間が長くなります。すなわち、口腔内が酸性になる時間が長くなるという理由から虫歯になりやすいです。よく噛んで食べるということも忘れないようにしてください。
ながら食べの場合の虫歯のなりやすさ
- 食べる量や時間がわからなくなってしまう ・・テレビやスマホなどに集中していると、どれだけ食べたかに気づきにくくなり、食事の量が増えたり、だらだらと長時間食べ続けてしまうことがあります。口内が長時間食べ物にさらされ、歯垢が溜まりやすくなり、虫歯のリスクが増加します。
- 食べ物が歯に残りやすくなる ・・テレビやスマホに気を取られて集中して食事をしない場合、しっかり噛まずに飲み込むことが多くなり、細かい食べ物のかけらが歯に付着しやすなります。
- 唾液の分泌が減少する ・・食事に集中していると、唾液の分泌が活発になりますが、テレビやスマホに意識が向いていると、唾液の分泌が減少します。唾液には食べ物の残りを洗い流し、酸を中和する働きがあるため、唾液が減ることで虫歯リスクが高まります。
虫歯にならないために:規則正しく食べよう
食事を摂る時間は、なるべく同じ時間になるように心がけましょう。
だらだら食べをする人は、食べる回数が増えるため、虫歯になるリスクが高くなります。食事を摂っていない時間は、唾液により口腔内の酸化を中性に戻し、歯の修復をしている時間です。だらだら食べをする人は、歯の修復時間が短いということになります。
特に、子供は好きな食べ物をずっと食べたいと思いがちです。大人が時間を管理して、おやつの時間も決められた時間にしましょう。アナログ時計があれば、「短い針が3、長い針が上まで来たらおやつにしよう」と言うと、子供はより分かりやすいです。
規則正しく食べなかった場合の虫歯のなりやすさ
- 口内の酸性状態が長く続く ・・食事や間食の頻度が増えると、口内が酸性状態に傾く時間が長くなり、歯のエナメル質が溶けやすくなります。特に甘い食べ物や飲み物を頻繁に摂取すると、唾液が酸を中和する時間がなくなり、虫歯が進行しやすくなります。
- 唾液の再石灰化作用が妨げられる ・・食後、唾液には歯を再石灰化する働きがありますが、規則正しく食べないと、唾液が十分に働く時間が確保されません。特に間食が多い場合、唾液の中和作用が効果を発揮できず、歯が酸にさらされ続けることで、虫歯のリスクが高まります。
- 食べ残しが増えやすくなる ・・不規則な食事や間食が増えると、歯磨きのタイミングが乱れ、食べ残しや歯垢が溜まりやすくなります。特に寝る前に食事を摂ると、口内の汚れが夜間に溜まりやすくなり、虫歯が進行しやすくなります。
- 間食による虫歯リスクの増加 ・・間食が続くと虫歯になりやすい状態も続き、酸の影響を受ける時間が長くなります。特に糖分の多い間食や飲み物を頻繁に摂ることで、虫歯リスクがかなり高まってしまいます。
虫歯になりやすい食べ物とは?
虫歯の原因となるのは、口の中に残る糖分を栄養源とする細菌が酸を作り、歯のエナメル質を溶かすことです。特に次のような食べ物は虫歯のリスクを高めるため、注意が必要です。
- 砂糖を多く含む食品(チョコレート、キャンディ、ケーキなど)
- 粘着性のある食品(キャラメル、グミなど)
- 酸性の強い食品(ジュース、ソーダ、フルーツジュース)
これらの食品は、歯に付着しやすく、長時間にわたり酸を生成し続けるため、虫歯のリスクを高めます。特に、間食や食後に歯を磨かない場合、歯垢が蓄積し、虫歯を引き起こすリスクが高まります。
虫歯にならないために注意すべきポイント
虫歯を予防するための注意点をまとめます。患者さんが日常的に気を付けることで、虫歯のリスクを効果的に減らすことができます。
- 規則正しい食生活を送る
- 甘いものを控える
- 歯磨きの習慣を徹底する
- 定期的に歯科健診を受ける
- フッ素配合の歯磨き粉を使う
これらを実践することで、虫歯のリスクを大幅に減らし、健康な歯を維持することが可能です。特に定期的な歯科健診は、早期に虫歯や歯周病を発見し、適切な治療を受けるために非常に重要です。
虫歯にならない食べ方に関するQ&A
噛むことが疎かになると、食物を十分に細かく咬むことができなくなります。噛む時間が長くなるため、口腔内が酸性になる時間が増えます。これにより、歯のエナメル質が溶かされやすくなり、虫歯のリスクが高まります。
食事を規則正しく摂ることで、虫歯予防につながります。食べる回数を減らすことで、口腔内の酸性が長時間続くことを避けることができます。また、食事を摂っていない時間は唾液の働きによって口腔内が酸性に傾いている状態を中性に戻し、歯の修復を促進します。
子供の食事管理には、時間を決めることが重要です。好きな食べ物に飽きるまで食べることを防ぐために、おやつの時間を決めておくと良いでしょう。アナログ時計を使って「短い針が3、長い針が上まで来たらおやつにしよう」と伝えることで、子供にとって分かりやすく、規則正しい食事管理ができるようになります。
まとめ
上記のような食べ方をしつつ、虫歯にならないためには、食後の歯磨きが肝要です。しっかりと歯磨きを行う事により、汚れを取り除き、お口の環境を中性に戻せます。もし、歯に黒い点があると思われた場合は、すぐに歯科医院への通院をし、歯科医師の処置を受けることをおすすめします。