親知らずを抜かなきゃよかったと後悔しないためにも、親知らずを抜く必要性などについてご紹介します。
親知らずを抜かなきゃよかったと後悔しないためには
歯科医院で親知らずを抜歯して不安や後悔を覚えたくはありません。親知らずを抜かなきゃよかったと思う理由には以下のようなものがあげられます。
- 抜歯後の腫れや痛み
- 本当に抜く必要があったのかどうか
- 病院の口腔外科への通院が必要だった
- 抜歯後の噛み合わせや歯の位置の変化
- 歯を失ったことへのショック
- 抜歯によるストレスの影響
親知らずを抜かなきゃよかったと後悔する場合にはいくつかの主な理由があります。以下に詳しく説明します。
1. 抜歯後の腫れや痛み
親知らずの抜歯後には、痛みや腫れが暫く続くことがあります。歯の根っこの状態によっては、出血がなかなか止まらないこともありますし、感染や神経損傷などの合併症が発生することもあります。抜歯後の不快な症状が、親知らずを抜かなきゃよかったと思う理由の第1位となります。
2. 本当に抜く必要があったのかどうか
親知らずがまっすぐ正常に生えていたり、他の歯やお口全体に悪い影響を及ぼしていない場合は、親知らずを抜かなくても問題が起こるリスクが少なく、抜歯の必要性が低いことがあります。そのため、抜歯後に「実際には抜かなくてもよかったのではないか」と思うことがあります。
3. 病院の口腔外科への通院が必要だった
親知らずの抜歯は一般の歯科医院で行う場合もありますが、根っこの形状や、親知らずが歯茎の中に埋まっている場合は、病院の口腔外科をご紹介することがあります。大きな病院の場合、外来の受付日も限られており、大きな建物の中で迷いそうになったり、また自宅から遠かったりと、様々なことが起こりえます。
歯科医院としては、危険の少ない環境で親知らずの抜歯を行うために病院の口腔外科をご紹介するためですが、口腔外科の受信自体が患者さんにとっては手間がかかり、抜歯への不安が大きくなる原因になることもあります。
総合的に考えると、親知らずの抜歯には思った以上の手間がかかってしまったという場合に、後悔の原因となります。
4. 抜歯後の噛み合わせや歯の位置の変化
親知らずを抜いた後に噛み合わせや他の歯の移動が起こることがあります。予期しなかったお口の中の変化が起こり、不快感や新たな問題が発生することがあります。
5. 歯を失ったことへのショック
担当医が親知らずの抜歯を患者さんにお勧めする場合には、他の歯への悪影響など、きちんとした理由があります。しかし、親知らずも大切な永久歯であり、特に痛みや問題がなかった場合、その喪失にショックを感じ、後悔することがあります。
6. 抜歯によるストレスの影響
抜歯後の出血や腫れや痛みの度合いが大きかった場合、そのことでストレスが起こって全身的な健康状態に影響が出る場合もあります。持病がある場合や高齢者の場合、抜歯によるストレスが全身に悪影響を及ぼすことがあります。
これらの理由から、親知らずの抜歯を検討する際には、歯科医と十分に相談し、自分の状況に最も適した選択をすることが重要です。
歯茎の腫れや痛み
親知らずが神経に触っているかなどの位置にもよりますが、下あごの親知らずが深く埋まっている場合は、二回法という術式で取り出すことが多いです。
埋まっている親知らずに対しては、歯肉を切開し、歯を砕いて取り出す場合があり、抜歯後に歯茎やお顔の腫れや痛みを強く感じる場合があります。
抜歯後の痛みなどがひどい場合は、早めに歯科医院にご相談頂くと、症状を緩和するための薬や対処を行います。痛みや腫れが目安の日にちを過ぎても治まらない場合は、クリニックを予約しましょう。
親知らずとは
親知らずとは、永久歯の中で最も遅く生える歯で、10代後半から生えてきます。小さな子供の時には、保護者が仕上げ磨きをしてあげることが多く「この歯が抜けた・生えた」など子供のお口の中の状態を確認することが出来ます。
しかし子供が大きくなると一人で歯磨きをするようになり、親が子供の口の中を見る機会はなくなります。そのため、親が知らない間に生える歯=親知らずと一般的に呼ばれ、第三大臼歯や智歯(ちし)という専門的な名前もあります。
親知らずがまっすぐに生えて何の問題もないという人は少ないです。多くの方にとっては、親知らずが斜めや横向きに生えたり、埋まったままだったりと、何かとトラブルの元になります。
- 横向きに半分だけ生える
- 歯茎の下に埋まっている(埋伏歯)
- 骨の中で埋まる(埋伏歯)
- 親知らずがない
様々なケースがありますが、親知らずがないケースを除いて、抜歯をおすすめすることが多いです。
親知らずを抜く必要性とは
親知らずを抜かなければならないような問題がない場合、抜かなくても良いのでは?と思われるかもしれません。しかし親知らずは、口腔内の状態を悪化させる原因というリスクとなります。
- 奥歯の第二大臼歯と横向きに生えた親知らずが接触する部分がむし歯になりやすい
- 親知らずの周囲に歯茎が被さっている状態では、食べかすや歯垢(プラーク)が溜まりやすく、歯周病や歯肉炎などを引き起こす
- 骨の中で埋まった親知らずが前の歯の歯根を押してしまうことで、歯並びが悪くなったり顎関節症になるリスクがある
- 親知らずが前の歯を押し続けると、歯列が乱れて前歯がガタガタになる場合がある。
前歯は食べ物を噛みちぎる役割がありますが、奥歯は食べ物を細かくすりつぶすため、しっかりとした噛み合わせが必要です。噛み合わせる歯の上下いずれかが虫歯のために欠損すると、食事の際にしっかり噛むことが出来ず、栄養素の吸収ができません。
つまり、親知らずのために周囲の歯に問題が起こると、咀嚼機能の低下につながります。
奥歯は前歯と違い、歯ブラシの毛先が届きにくい位置にあります。奥歯はデンタルフロスや歯間ブラシも使いにくく、虫歯等のトラブルの原因になりがちです。歯並びが悪くなる原因にもなるため、歯科では親知らずを抜くことをおすすめする場合が多いです。
親知らずが問題なく生えている人も抜くべき?
親知らずがあることも気づかない方もおられます。他の部分の治療のために歯医者に行ってレントゲンを撮って、歯科医師から説明を受けて初めて知るというケースです。
親知らずに痛みなどの症状が全くなければ、むし歯になっていないのに抜く必要があるのか疑問に思われるでしょう。
- 歯列や顎関節に全く影響を与えていない
- 周囲の歯もむし歯になっていない
- 不衛生な状態ではない
このような親知らずならば抜かなくても大丈夫です。しかし、永久歯が生え揃っている歯列の奥に更に親知らずの生えるスペースがある方は珍しいのです。
そのため、歯茎で半分覆われた状態で親知らずが生えている方や、斜めや横向きなどに生えるケースの方が大半となります。まっすぐに生えた親知らず以外は、毎日歯を清潔に保つことが難しいため、抜くという可能性も考えておきましょう。
親知らずの抜歯をを後悔しないに関するQ&A
親知らずは口腔内の状態を悪化させるリスクがあります。むし歯や歯周病、歯列の乱れ、顎関節症などの問題を引き起こす可能性があります。
抜歯後の腫れや痛み、ドライソケット、口臭が問題として挙げられます。
抜歯後の痛みや腫れは個人差がありますが、通常は数日から1週間程度で治まります。ただし、症状が長引く場合は歯科医師に相談する必要があります。
まとめ
親知らずは、どのように生えているか、周囲の歯に悪い影響がないか、親知らず自体が虫歯になっていないか等によって、抜くか抜かないかが決まります。
親知らずの抜歯後は、個人差はありますが、腫れや痛みが生じます。抜歯を考えておられる方は、日常生活の中での予定が少ない時に抜歯を受けられるよう、歯科医師とスケジュールを相談しましょう。
安心して抜歯を受けるためにも、親知らずを抜く際にはしっかりと説明と検査をしてくれるクリニックを選んでください。抜くかどうか決めかねている場合は、定期的に検診を受診している医院で、クリーニングやメンテナンスの際にスタッフに少し質問してみるのも良いかもしれません。