「歯石取りのために歯医者に行く間隔は?」
「歯石はついたままだとダメなの?」
歯石はいつの間にか付いてしまい、カチコチに固まっているので歯磨きでは落とせません。歯科医院での歯石取りを受ける時の理想的な間隔や、歯に歯石がつくとどんな悪影響があるかについてご説明します。
目次
歯石取りはどうして重要なの?
歯石は、歯の表面に溜まった歯垢が硬化してできた物質です。歯垢は歯磨きで取り除くことができますが、時間が経つと硬い歯石へと変化し、通常の歯磨きでは取るのが難しくなります。
歯石が溜まると口内の細菌が増え、歯周病や口臭など、さまざまな口腔内の問題を引き起こす可能性が高まります。そのため、歯石取りを定期的に行って、お口の中を清潔に保つ必要があります。
歯石が溜まるとリスクがある?
歯石は、歯垢が時間をかけて石灰化することで形成されます。特に歯磨きが不十分な場合や、食べ物のカスが残りやすい場所では、歯石が溜まりやすくなります。以下のリスクが歯石が溜まることにより生じます。
- 歯周病の進行・・歯石が歯と歯茎の境目に溜まると、歯周ポケットが深くなり、歯周病が進行しやすくなります。
- 口臭の原因・・歯石の表面には汚れや細菌がつきやすく、細菌が悪臭を放って口臭の原因となります。
- 虫歯のリスク増加・・歯石があると歯磨きがしにくくなるので、虫歯のリスクも高まります。
歯石取りの間隔の目安は3ヶ月。歯石は必ず除去しましょう
歯石取りは3ヶ月に1回程度受けていただくと、歯に歯石がついていない状態を保ちやすいです。最低でも6ヶ月に1度は歯科医院でのクリーニングを受けましょう。毎日の歯磨きなどのセルフケアも重要です。
歯周病や虫歯の原因となる細菌は、お口の中に食べかすが残っているとそれをエサにしてどんどん増殖します。食後歯を磨かずに4~8時間程度たつと、食べかすの中で細菌が繁殖してネバネバした歯垢(プラーク)になります。
更にそのまま除去出来ない状態が続くと、24時間後には石灰化して歯石が出来てしまいます。ネバネバした歯垢の状態ですと歯磨きで落とすことが可能ですが、歯石になってしまうと、硬くなって歯ブラシで落とすことが出来なくなります。
歯石が出来るとどうしてダメなの?
歯の表面は磨いた直後はツルツルですが、歯垢がついてそれが歯石に変わると、ザラザラした表面に歯垢がつきやすくなり、その中で細菌がどんどん繁殖してしまいます。
歯石がたまると、歯周病や虫歯になるリスクが高まりますので、歯石になる前の歯垢の状態でしっかりと除去することが大切です。
推奨される歯石取りの頻度は個人差がある?
歯石取りの頻度には個人差があり、以下のような要因によって調整が必要です。
- 歯磨きがきちんと出来ているか・・日頃の歯磨きやフロスで歯垢がきちんと落とせているかが影響します。歯磨きが適切であれば、歯石の形成が遅くなる可能性があります。
- 糖分の多い食生活・・糖分の多い食事や、歯垢が溜まりやすい食べ物を頻繁に摂る方は、歯石が溜まりやすくなります。
- 喫煙の習慣・・喫煙者は、歯垢が歯石に変わりやすいため、歯石取りの頻度を高める必要があります。
- 歯周病や虫歯にかかった経験がないか・・歯周病や虫歯の治療経験がある患者さんは、定期的なチェックと歯石取りが推奨されます。
歯石って何だろう?
歯についた食べかすや磨き残しは、時間がたつと白いネバネバした物体に変わり、歯に強固にへばりついて取れにくくなります。これを歯垢(プラーク)といいます。歯垢に変わってから更に時間がたつと、歯垢が石灰化して石のようにカチカチに硬くなります。これを歯石と呼びます。
歯垢が歯石に変わってしまうと、歯磨きで落とすことが出来なくなりますので、歯石になる前に歯ブラシでのブラッシングや、歯間ブラシ、デンタルフロスを使って歯から除去しなければなりません。
歯垢が石灰化して歯石になるときには、唾液に含まれるリン酸カルシウムが材料となります。その量には個人差があって、歯垢の寮に関わらず、歯石が出来やすい人と出来にくい人がいます。歯石の出来やすさには、唾液の分泌量にも関係があります。
歯石がつきやすいところはどこ?
歯石が特につきやすいのは、下の前歯の裏側や上の奥歯の外側などです。歯石が一度出来てしまうと歯ブラシでは取り除けないため、下の前歯の裏側、上の奥歯の外側を丁寧に磨いて、歯石が出来る前の歯垢の段階で除去出来るようにしましょう。
歯と歯の間は歯ブラシでは取れにくいため、歯間ブラシやデンタルフロスも併せて使用すると、効果的に歯垢を落とすことが出来ます。
歯石がたまると起こること
歯石がついたまま除去せずにいると、次のようなことが起こります。
歯石がついたままだとどうなる?
- 歯周病になるリスクが高まる
- 虫歯になるリスクが高まる
- 口臭が強くなる
これらはどれも歯石の中でどんどん増殖する細菌によって起こります。
1.歯石取りをしないと歯周病になるリスクが高まる
歯周病は歯周病菌によって歯ぐきに炎症が起こる病気ですが、歯垢や歯石があるとその中で細菌が増えて歯周病が悪化してしまいます。
歯周病が悪化すると、歯周ポケットと呼ばれる歯と歯茎の間の溝が深くなっていき、やがて歯を支えている骨が破壊されて歯がグラグラになって抜けてしまいます。
歯ぐきの炎症の段階でしたら歯垢や歯石を徹底的に除去する治療でかなり改善します。そのため、早めに歯のメンテナンスを受けていただき、定期的に歯石取りを行うことをおすすめします。
2.歯石取りをしないと虫歯になるリスクが高まる
虫歯はミュータンス菌などの虫歯の原因菌による感染症です。虫歯菌はお口の中の糖をエサにして酸を出し、歯を溶かしてしまいます。歯に歯石がついたままになっていると、そこに歯垢がついて、その中で虫歯菌が繁殖します。
歯石が出来てしまうと歯ブラシでは除去出来ませんので、歯垢も落としにくくなり、その周囲に虫歯が出来てしまったりと、良いことは一つもありません。虫歯を予防するためにも、定期的に歯石を落とすことが大切です。
3.口臭が強くなる
歯石は表面がザラザラしているので表面に歯垢がつきやすく、細菌の塊ともいえます。細菌によって歯肉に炎症が起こったり虫歯になったりすると、口臭が発生します。お口のにおいはなかなか自分では気づかないため、口臭予防のためにも定期的に歯石の除去をおすすめします。
歯石は1回で全てきれいに取れる?
定期的にメンテナンスを受けていて、歯石がそれほどたまらない方は、歯石取りに時間はかかりません。しかし、1年以上メンテナンスを受けていない方は、歯の汚れと共に歯石がかなりついていることも考えられますので、1回のメンテナンスで全ての歯石を取りきれない場合もあります。
また、歯の表面には歯石が見られなくても、歯周ポケットの深い部分に歯石が出来てる場合もありますので、歯石取りに時間をかけたくない方は、3ヶ月程度の頻度でメンテナンスを受けていただくことをおすすめします。
歯石取りを受ける頻度に関するQ&A
歯石が特につきやすい場所は、下の前歯の裏側や上の奥歯の外側です。これらの箇所を特に丁寧に磨くことが重要です。
歯石取りの目安としては、3ヶ月に1回程度の頻度で受けることが推奨されます。しかし、個人の状況によって異なる場合もあります。
歯石を取り除く方法としては、歯石取りの専門家による専用の器具を使用して行う方法が一般的です。歯石が付かないように予防するためには歯磨きや歯間ブラシ、デンタルフロスなどの日常的なセルフケアも重要ですが、セルフケアでは歯石自体を取ることは出来ません。
まとめ
歯石取りの理想的な頻度は3ヶ月に1回程度です。定期健診を3ヶ月毎に受けていただくと、歯石がたまる前にクリーニングを受けられます。虫歯や歯周病の予防のためにも、定期健診を欠かさずに受けていただくことをおすすめします。