こども

小学生への家庭での口腔ケアはどうやったらいいの?

小学生への家庭での口腔ケアはどうやったらいいの?

茨木クローバー歯科・矯正歯科 歯科医師 脇田 悠仁

小学生のお子さんに対して家庭で出来る口腔ケアは、正しい歯磨きの仕方を習慣づけることです。歯磨きを毎日しっかり行うことを習慣づけられた子どもは、大人になってもそれが変わることはありませんので、生涯にわたって健康な歯を維持できる可能性が高くなります。

小学生からの口腔ケア

小学生になると、お子さんの行動が活発になり、行動範囲が拡がります。お友達の家でお菓子を出されたり、スポーツ教室でスポーツドリンクを飲むようになったり、お小遣いでおやつを買ってお友達と食べる機会もあるかもしれません。

生活の中で、飲み食いする機会が増えますので、虫歯になるリスクが高くなってきます。そんなお子さんの口腔ケアとして重要なことは、フッ化物とフロスです。

フッ素入りの歯磨き粉でのブラッシングに加えてデンタルフロスを使うようにしましょう。そして歯の定期健診でフッ化物塗布をしてもらい、強い歯にしていきましょう。

デンタルフロスはお子さん自身ではやりにくいかもしれませんので、夜寝る前の仕上げ磨きの時に、歯と歯の間にフロスを通してあげると虫歯になるリスクを減らすことが出来ます。

お子さんがもう少し大きくなると、親御さんは仕上げ磨きをやめてしまわれると思いますが、時々はお子さんの歯を見て磨けているかどうかをチェックしましょう。歯医者での歯磨きトレーニングを母子で受けるのも良いと思います。

1. 歯磨きの正しい方法を教える

小学生には、歯ブラシを正しい角度で当てることが大切です。歯と歯茎の間に斜め45度でブラシを当て、小刻みに動かすように指導します。特に、奥歯や歯の裏側など磨き残しやすい部分に注意が必要です。

2. デンタルフロスや歯間ブラシの使用

歯ブラシだけでは除去できない歯と歯の間の汚れを落とすため、デンタルフロスや歯間ブラシを使用する習慣をつけることも重要です。子どもが自分でできない場合は、親が手伝うか、フロスホルダーなどの道具を活用すると良いでしょう。

3. 仕上げ磨きの重要性

小学生でもまだ磨き残しがあることが多いので、毎回ではなくとも、特に夜の歯磨き後には親が仕上げ磨きをして、しっかりと汚れが取れているか確認しましょう。

4. フッ素入り歯磨き粉の使用

フッ素入りの歯磨き粉を使用することで、虫歯予防効果が高まります。適量を守り、小学生の口に合った子ども用の歯磨き粉を選ぶようにします。

5. 食事後の口腔ケア

食後の水やお茶でのうがいも、口の中に残る食べカスを流し、虫歯や歯周病を予防するのに効果的です。糖分が多い食事の後は、特に意識してうがいをさせるようにしましょう。

6. 定期的な歯科健診とクリーニング

家庭でのケアに加え、定期的に歯医者での検診とクリーニングを受けることが、健康な歯を保つ上で重要です。特に、虫歯や歯並びの問題がないかの確認をするためにも、3ヶ月~6ヶ月ごとの定期健診を推奨します。

7. 楽しく習慣化させる工夫

子どもが口腔ケアを楽しく習慣化できるように、好きな歯ブラシを選ばせたり、タイマーや音楽を使って楽しく歯磨き時間を過ごせる工夫を取り入れると良いです。

乳歯の歯並びについて

小学生に入ると大人の歯が生えてきます。乳歯から永久歯への生え替わりは、6歳頃から始まって12歳頃まで次々と大人の歯に生え替わっていきます。

歯並びが悪いお子さんもいますが、矯正を考え始める時期は一般的には6歳頃で大丈夫です。小学生以前に歯並びを気にされる親御さんも多くおられますが、乳歯の時期には歯並びそのものよりも、永久歯が歯がきちんと並ぶための顎の正常な発達が大切です。

顎の発達は、柔らかい食べ物ばかりでなく、硬いものを噛んで食べることが重要です。そして、お口を大きく動かして話したり笑ったり歌ったりすることで、上下の顎と舌や頬などの筋肉が発達していきます。

ただし、受け口の兆候が出ているお子さんだけは、3歳頃から治療を始めることが出来ますので、早めに歯科医院にご相談下さい。

歯の溝をプラスチックで埋めて虫歯予防するシーラント

子どもの歯を守るシーラント

虫歯のリスクを下げるためのシーラントという処置があります。シーラントとは奥歯の小さな溝をプラスチックで埋める処置です。

奥歯の噛む面には細かい溝が沢山あり、そこに食べカスが詰まります。それが歯磨きで落とし切れていない時は、歯の溝の部分から虫歯になってしまいます。

ただしシーラントを積極的にするかどうかは、歯科医師の判断にもよります。お子さんの奥歯の虫歯を防ぐ為のシーラントは保険がききますので、歯科医師にご相談ください。

子ども時代の歯磨きの習慣が生涯の歯の状態を決める

歯磨き

家庭での口腔ケアで一番大切なことは、お子さんに歯磨きを習慣づけてあげることです。歯医者に虫歯治療で通っている子どものほとんどが、家庭での歯ブラシを習慣づけられていません。

ご両親は仕事や家事でお忙しいことと思いますが、子ども時代に正しい歯みがきの仕方を習慣づけられるかどうかが、その子の生涯の歯の状態を決めると言っても過言ではありません。

子どもの間にしっかりと歯磨きを習慣づけられた子どもは、虫歯にならないか、もしくはごく軽い虫歯治療だけで成長していくことが出来ます。

子ども時代の習慣は、大人になってもそう変わることはありません。その子は大人になっても歯磨きを当たり前の習慣としていますし、正しい歯みがきの仕方で歯垢をしっかりと落とせます。

その結果、大人になってから虫歯で歯を失うリスクがかなり小さく、歯周病へのケアをしっかりと行えば、生涯健康な歯で過ごせるのです。

小学生の家庭での口腔ケアに関するQ&A

正しい歯磨きの習慣はどのように子供の生涯の口腔健康に影響を与えますか?

正しい歯磨きの習慣は、子供が成長するにつれて虫歯リスクを低減し、歯周病を予防します。これは、彼らが大人になっても健康な歯を保つための基盤を形成します。

子供が虫歯にならないための最良の方法は何ですか?

正しい歯磨きの習慣を形成し、定期的に歯科検診を受けることが重要です。また、フッ素入りの歯磨き粉を使用し、デンタルフロスを利用すると虫歯予防に有効です。

親が子供の歯磨きを見てチェックすることの重要性は何ですか?

親が子供の歯磨きを定期的にチェックすることは、正しいブラッシング方法が続けられているか、また虫歯の初期症状が見つけられるかどうかを確認するために重要です。

まとめ

子供用歯ブラシ

小学生のお子さんに対してご家庭で行うデンタルケアと、歯科医院で行う定期健診についてご説明しました。お子さんの歯が虫歯にならないように、小さいうちから正しいブラッシング方法が習慣として身につくように、お母さんは気をつけてあげてください。

この記事の監修者
医療法人真摯会 茨木クローバー歯科
院長 脇田 悠仁

徳島大学 歯学部卒業卒業。日本口腔インプラント学会。日本成人矯正歯科学会。日本臨床歯科学会(大阪SJCD) 学術委員・査読委員 兼任。日本臨床CADCAM学会。

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