矯正歯科

インビザライン治療後の歯並びの保定について

インビザライン治療後の歯並びの保定について

矯正治療後の歯は治療前の位置に戻ろうとする特性があり、保定を行わなければ、せっかく整えた歯並びが崩れてしまうリスクがあります。そこで、インビザライン治療後には「保定」というプロセスが欠かせません。保定の重要性、リテーナーの種類や装着方法、保定期間中のメンテナンス方法など、インビザライン治療後の歯並びをキープするために必要な情報についてご説明します。

インビザライン治療後の保定の重要性

インビザライン治療を終えた後、理想の歯並びが完成したとしても、その歯並びを保つためには保定が必要です。保定が行われない場合、歯は自然と元の位置に戻ろうとするため、せっかく整えた歯並びが崩れる可能性があります。保定は治療後の歯並びをキープするために欠かせないプロセスです。

  • 歯が元の位置に戻る原因として、歯周組織の弾力性や咬み合わせの変化があげられます。
  • 保定を怠ると、後戻りを起こして不正咬合に戻ってしまうリスクが高まります。

保定装置の種類と選び方

リテーナーと呼ばれる保定装置は、歯並びを固定する役割を持ち、固定式と取り外し式の2つのタイプがあります。

1. 固定式リテーナー

ワイヤーを歯の裏側に接着する方法で、特に前歯に適しています。取り外しが不要で、装着し続けることで安定した保定が可能です。

2. 取り外し式リテーナー

自分で装着や取り外しができるタイプで、就寝時や指定された時間のみ装着することで歯並びを保ちます。洗浄がしやすい点が利点です。

保定方法は、歯科医師との相談の上で決定されますが、生活スタイルや歯の状態に合わせて最適な方法を選ぶことが大切です。

リテーナーの装着方法と装着時間

リテーナーは、インビザライン治療終了直後から装着を始めるのが一般的です。リテーナーの装着時間は、治療後の初期段階では長時間の装着が推奨され、次第に装着時間を減らしていくことが可能です。

  • 最初の半年は、1日22時間以上の装着が望ましいです。
  • その後は、就寝時のみに装着することで保定を継続します。

このような段階的な装着時間の調整によって、歯並びを安定させていきます。

リテーナーのメンテナンスとお手入れ方法

リテーナーは、毎日使用するため、清潔に保つことが重要です。正しいメンテナンス方法を知り、リテーナーを長持ちさせるようにしましょう。

  • リテーナーの清掃・・水やぬるま湯で洗い、専用の洗浄剤を使うことで、歯垢などの汚れの付着を防ぎます。
  • 高温に注意・・透明なプラスチック製のリテーナーは高温に弱いため、高温の場所に置かないようにし、歪みや破損を防ぎましょう。

また、定期的な健診でリテーナーの状態を確認し、必要があれば調整や交換を行うことが推奨されます。

保定期間とその後の歯並びのチェック

保定期間の目安としては、最低1年から数年かけて行うことが一般的ですが、歯並びの状態や年齢によって異なります。保定期間中は、定期的な健診が欠かせません。

  • 初期段階は月に1度の健診が推奨され、徐々に頻度を減らしていきます。
  • 保定期間が終了した後も、年に1回程度の健診で歯並びをチェックすることで、長期的な安定を図ります。

保定期間が終わった後も気をつけたいポイント

保定期間が終了しても、歯並びが完全に安定したわけではありません。加齢や日常の習慣により、歯並びが変化することがあるため、注意が必要です。

  • 歯磨きや定期健診を怠らず、健康的な口内環境を保つことで歯並びの崩れを予防します。
  • 夜間のリテーナー装着を続けることで、歯並びを更に安定させることも可能です。

インビザライン治療後の保定は、長期的に美しい歯並びを維持するための重要なステップです。歯科医師の指導に従い、適切な保定を行うましょう。

まとめ

インビザライン治療後の保定は、歯並びの安定に不可欠なプロセスです。保定期間中のリテーナー装着や定期的な健診を通じて、理想の歯並びを維持することができます。

保定期間が終了した後も、日常的なケアとメンテナンスが歯並びの安定に重要な役割を果たします。特に加齢や生活習慣の影響で歯並びが変化する可能性があるため、定期的な健診と適切なケアを継続することが望ましいです。

この記事の監修者
医療法人真摯会 茨木クローバー歯科
院長 脇田 悠仁

徳島大学 歯学部卒業卒業。日本口腔インプラント学会。日本成人矯正歯科学会。日本臨床歯科学会(大阪SJCD) 学術委員・査読委員 兼任。日本臨床CADCAM学会。

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