ホームホワイトニング、オフィスホワイトニングはいずれも歯の色が白くなっても基本的に後戻りするといわれますが、ホワイトニング後の処置により白さを長期間保つことができますので、ご説明します。
目次
ホームホワイトニングとは
ホームホワイトニングとは?
- 歯科医院で作成したカスタムトレーを使用して、自宅で行うホワイトニング方法
- 低濃度のホワイトニング剤を使用し、ゆっくりと歯を白くする
- オフィスホワイトニングに比べて、自然な明るさを得られる
- 長期間の使用で効果を発揮するが、色の後戻りが起こることもある
ホワイトニングには、歯科医院で行うオフィスホワイトニングと、ご家庭で行うホームホワイトニングがあります。
オフィスホワイトニングは定期的に歯のクリーニングを受けたうえで、歯科衛生士のホワイトニングの施術を受けるのみですが、ホームホワイトニングは異なります。ホームホワイトニングとは患者さまのご自宅で行うホワイトニングの方法で、過酸化水素などの漂白する成分を歯に浸透させて、着色成分を分解し除去する作用で歯が白くなります。
歯の内面にある象牙質はもともと少し黄色みがかっています。ホームホワイトニングは歯の表面にあるエナメル質を半透明から曇らせる特徴があります。それにより、歯は白く見えます。ただし、いきなりご自身でホームホワイトニングを開始するのではなく、事前に歯科医院で歯科医師の指導を受けることが必要です。
ホームホワイトニングのやり方は簡単で、患者さんの歯並びに合わせた専用のマウスピース(トレー)を歯科医院で作製し、それにホワイトニングのジェルを塗り、トレーを歯に一定時間装着するだけです。
歯のホワイトニングは色が後戻りする?
歯のホワイトニングは基本的にどうしても後戻りしますので、ホワイトニング後の真っ白な歯の状態を保つことが難しいです。後戻りの原因は、以下の三点が考えられます。
- ホワイトニング後の水分復帰
- 食生活による着色
- 加齢に伴う歯の色の変化
飲食によって歯は着色しやすい状態にあります。コーヒーや紅茶、ワインなど色素が含まれているものを飲むと、歯にうっすらと色が付きます。エナメル質はミネラル分が消失すると、再石灰化を繰り返しますので、歯質の再石灰化を繰り返せば、歯の表面が元のような状態に戻ってしまうというのが、ホワイトニングが後戻りする理由です。
ホームホワイトニング後に色が後戻りする原因
ホームホワイトニング後に色が後戻りするのは、いくつかの要因が関与しています。代表的な原因は以下のようなものです。
食生活
コーヒー、紅茶、ワインなどの着色性の高い飲み物を頻繁に摂取することが、歯が再び着色を起こす原因となります。カレーやミートソースなども歯に着色を起こしやすい食べ物です。
喫煙
タバコに含まれるニコチンやタールが歯に沈着し、色が後戻りしやすくなります。喫煙される方は、3ヶ月毎に定期健診でクリーニングを受けると白い色の長持ちに繋がります。
歯垢や歯石の蓄積
毎日の歯磨きが不十分で汚れが残ってしまっていると歯垢や歯石が溜まり、それが歯の色をくすませます。
ホワイトニング効果の持続期間
ホワイトニング効果は永続的ではなく、時間が経つと自然に色が戻ることがあります。ホワイトニング後のケアが不足すると、後戻りが早まることがあります。
色が後戻りしやすい人の特徴
ホワイトニング後に色が後戻りしやすい患者さんには、いくつかの共通点があります。
着色性の高い食品や飲み物を好む人
コーヒーや紅茶、カレーなどを日常的に摂取している人は、歯の表面に着色物が付着しやすく、後戻りのリスクが高くなります。
喫煙者
喫煙者は歯の再着色が起こりやすく、ホワイトニング効果の持続が短くなる傾向があります。
歯磨き習慣が不十分な人
正しい歯磨きができていない場合、歯垢や歯石が蓄積し、歯の色が再び暗くなる原因になります。
ホームホワイトニングの回数を多くすればより白くなる?
一般的にはホームホワイトニングの持続期間は、それぞれ個人差があります。口腔内の状態が良ければ、長いケースでは約2年ほど歯の白さを維持できます。オフィスホワイトニングは、長くても半年ほどの効果となりますので、ホームホワイトニングはメリットが多いと思いがちです。
オフィスホワイトニングの治療は、短時間で早く白い歯になるのに対し、ホームホワイトニングは治療の効果が出るまでに時間がかかります。その点がホームホワイトニングのデメリットではありますが、歯質に薬剤がしっかりと浸透するともいえます。
ただ、ホームホワイトニングの回数や薬剤の量を多く行い過ぎてはいけません。ホームホワイトニングは決められたとおりに使用しなければ、知覚過敏を起こしたり、歯の状態が悪くなる可能性もあります。
歯の着色汚れはクリーニングでもかなり落ちる
歯を白くしたい方は、まず歯科医院で歯のクリーニングを受けてみて下さい。クリーニングすれば着色汚れを取って本来の歯の色に戻すことが出来ますので、ホワイトニングをしなくてもかなり白くなることがあります。
シニアの方は、エナメル質が薄くなって内部の象牙質が透けて見えるために、歯がやや黄ばんで見えるのが一般的で、その場合はクリーニングではあまり白くなりません。クリーニングだけでは満足のいく白さを得られない場合は、ホワイトニングをお選びください。
ホームホワイトニングの色の後戻りに関するQ&A
ホワイトニング後の後戻りは、水分復帰、食生活による着色、加齢に伴う歯の色の変化の三つの要因が考えられます。飲食による色素の付着やエナメル質の再石灰化により、歯の白さが長続きしない傾向があります。
ホームホワイトニングの持続期間は個人差がありますが、一般的に口腔内の状態が良ければ約2年程度歯の白さを維持できます。一方、オフィスホワイトニングは効果が長くても半年程度です。
シニアの方はエナメル質が薄くなって内部の象牙質が透けて見えるため、クリーニングだけではあまり白くなりません。その場合はホワイトニングを選択すると、白さを得ることができるかもしれません。ただし、個別の状態によって結果は異なります。
まとめ
ホームホワイトニングを患者さんが持続すれば、綺麗な色の歯を長く保持できます。予防歯科という観点からも歯の衛生面からも、長持ちさせるためには、しっかりセルフケアを行いましょう。もし、気になる点があれば、歯医者やスタッフにご相談ください。