入れ歯

夜寝るときは入れ歯を外すの?

夜寝るときは入れ歯を外すの?

入れ歯を使用している方は、夜寝るときに入れ歯を外してきれいに洗浄しなければなりません。入れ歯を使う生活の中でも重要な夜間の入れ歯の取り扱いについてご説明します。

夜間に入れ歯を外す理由

睡眠

夜間に入れ歯を外すことには、口腔内の健康維持や入れ歯自体を長持ちさせるために必要なことです。以下に、その理由をご説明します。

1. 口腔内の健康維持

歯茎の休息

入れ歯を一日中装着していると、歯茎に常に圧力がかかります。この圧力が続くと、歯茎に負担がかかることと、炎症が起こる可能性があります。夜間に入れ歯を外すことで、歯茎が休息し、自然に回復する時間を確保できます。

  • 歯茎の血流改善・・入れ歯を外すことで、歯茎の血流が良くなり、健康な状態を保ちやすくなります。
  • 炎症の予防・・長時間の圧力から解放されることで、歯茎の炎症を予防できます。

唾液の循環

唾液には自然な抗菌作用があり、口腔内の健康維持に重要な役割を果たします。入れ歯を外すことで唾液の循環が改善され、口腔内の自然な洗浄作用が促進されます。

  • 細菌の抑制・・唾液の循環が良くなることで、細菌の繁殖を抑える効果があります。
  • 口臭の予防・・唾液の分泌が促進されることで、口臭の原因となる細菌を減少させることができます。

2. 入れ歯の寿命を延ばすため

夜間に入れ歯を外すのは、入れ歯の劣化を防ぐという目的もあります。

摩耗の防止

入れ歯は使用頻度が高いほど摩耗しやすくなります。夜間に外すことで、入れ歯の使用時間が短縮され、摩耗を防ぐことができます。

  • 素材の劣化防止・・長時間使用することで、入れ歯の素材が劣化しやすくなります。夜間に外すことで、その劣化を防ぐことができます。
  • 形状の維持・・摩耗が少ないことで、入れ歯の形状が長持ちし、フィット感が持続します。

材質の保護

入れ歯の材質は、適切なケアと保管によって長持ちさせることができます。夜間に外して保管することで、材質が保護され、入れ歯の寿命が延びます。

  • 保管環境の重要性・・専用の保管容器に水や洗浄剤を入れてその中に保管することで、入れ歯の材質が保護されます。
  • 乾燥防止・・入れ歯が乾燥すると変形やひび割れの原因となります。水に浸けて保管することで、乾燥を防ぐことができます。

3. 入れ歯のフィット感を維持するため

入れ歯は長時間使用することで、歯茎や顎の骨の変化によりフィット感が悪くなることがあります。夜間に外すことで、これらの変化を最小限に抑えることができます。

  • 歯茎の形状保持・・入れ歯を外すことは、歯茎の自然な形を持続させることに繋がります。
  • 顎の骨の健康維持・・圧力から解放されることで、顎の骨の健康も保たれやすくなります。

4. 口腔内の自然な環境を保つため

入れ歯を外すと、今までレジンや金属で覆われていた部分に唾液が行きわたり、口内の自然な環境を保つことができます。

  • 口内フローラのバランス・・入れ歯を外すことで、口内フローラ(口腔内の細菌のバランス)が自然に保たれやすくなります。
  • 自浄作用の促進・・入れ歯を外すことで、唾液による自浄作用が促進され、健康な状態を保つことができます。

以上のように、夜間に入れ歯を外すことには多くのメリットがあります。健康な口腔環境を保ち、入れ歯の寿命を延ばすためにも、夜間は入れ歯を外すことをおすすめします。

入れ歯を外す際の注意点

入れ歯を外した時は、そのままで保管せず、水につける必要があります。

清潔な保管方法

入れ歯を外した後は、清潔な状態で保管することが重要です。

  • 専用の容器・・専用の容器に水や入れ歯洗浄剤を入れて保管します。
  • 乾燥防止・・入れ歯が乾燥するとレジンの部分が変形する恐れがあるため、水に浸けて保管することが推奨されます。

毎日のケア方法

入れ歯の洗浄液

入れ歯を清潔に保つためには、毎日のケアが欠かせません。

  • ブラシでの洗浄・・専用のブラシを使って、食べ物のカスや歯垢などの汚れを取り除きます。
  • 専用の洗浄剤の使用・・入れ歯洗浄剤を使用して、細菌の繁殖を防ぎます。

入れ歯を外さない場合のリスク

夜間に外さないで寝てしまうと、様々なリスクがありますのでご説明します。

口内炎や感染症のリスク

入れ歯を外さないことで、口内炎や感染症のリスクが高まります。

  • 細菌の繁殖・・入れ歯と歯茎の間に細菌が繁殖しやすくなります。
  • 炎症の発生・・長時間歯茎を圧迫することになるため、歯茎が炎症を起こすことがあります。

歯茎の負担

入れ歯を長時間装着することで、歯茎に圧力がかかり続けて過度な負担がかかります。

  • 圧力の集中・・特定の部分に圧力が集中し、痛みや不快感を引き起こすことがあります。
  • 歯茎の変形・・長期間圧力がかかり続けると、歯茎が変形する可能性があります。

まとめ

夜寝るときに入れ歯を外すことは、口内の健康維持や入れ歯を長く使うために大切です。ただし、入れ歯を外す際には保管方法や毎日洗浄を行うことが必要です。夜間の入れ歯の取り扱いについて、適切な方法を守り、快適な生活を送りましょう。

この記事の監修者
医療法人真摯会 茨木クローバー歯科
院長 脇田 悠仁

徳島大学 歯学部卒業卒業。日本口腔インプラント学会。日本成人矯正歯科学会。日本臨床歯科学会(大阪SJCD) 学術委員・査読委員 兼任。日本臨床CADCAM学会。

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茨木クローバー歯科・矯正歯科

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