入れ歯で後悔しないために知っておきたいことは？

入れ歯で後悔しないために知っておきたいことは、簡単に取り外しできるというメリット、噛む時に他の義歯治療よりガタガタするというデメリットなどについてです。今日は入れ歯で後悔しないための基本的な特徴など、詳しくご紹介します。

入れ歯の使用でよくある後悔とは？

 

多くの患者さんが入れ歯の使用を始めた後、予想外の問題に直面します。特に以下の点がよくあげられます。

1. 不快感や痛み・・入れ歯が合わない場合、口内に痛みや違和感が生じることがあります。これにより、食事が楽しめなくなることも少なくありません。
2. 噛む力や食べ物の味の変化・・入れ歯は天然の歯に比べて噛む力が弱く、硬い食べ物が食べにくくなる場合があります。また、口の中に異物感があるため、食事を楽しむ感覚が薄れることもあります。

入れ歯で後悔しないためのポイント

入れ歯を使う際に後悔しないためには、以下の点に注意することが大切です。

正しいフィット感

入れ歯のフィット感は、快適な生活に直結します。フィット感が悪いと痛みや違和感が生じ、最終的には入れ歯を使用しなくなることもあります。そのため、初めて作る時からしっかりとフィットするように調整することが重要です。

見た目の自然さ

見た目も重要な要素です。入れ歯は他の人に気づかれないように作ることが可能ですが、質の高い入れ歯を選ぶことで、より自然な見た目を追求することができます。

入れ歯の種類とは？

保険適用が出来る入れ歯、保険適用外の自己負担で作製される入れ歯、それぞれの材料や特徴をご案内します。

保険適用内の入れ歯

保険の費用内での入れ歯は歯科用プラスチックという材料で歯や床を作製します。安く治療が行えるというメリットがありますが、分厚さがあり、見た目で人工歯とすぐにわかりやすく、天然歯との差が著しいです。また、床の部分が大きいため、装着の際に違和感や痛みを感じる方や、嘔吐反射を起こす方もおられます。

保険適用外の入れ歯

保険内の入れ歯と異なり、費用はすべて自己負担となりますが、入れ歯の材料が限定されません。そのため、患者さんのご希望に合わせやすい入れ歯になります。

• 床の厚みを薄くしたい
• 人工歯の審美性を高めたい
• 頑丈な入れ歯がいい

保険適用の入れ歯と比べて材料を選択する幅が広がり、これらの希望を揃えた入れ歯が可能となります。

金属床義歯

歯の裏側の口蓋の部分を金属床にすると、保険適用の入れ歯より薄く作製できます。熱伝導という性質があるため、熱い食べ物や冷たい食べ物などの温度を感じられます。コバルトやチタンなど生体親和性の高い金属が選べますが、金属アレルギーの方には適用できません。

ノンクラスプデンチャー

支台歯にひっかける金具（ばね）がない入れ歯で審美性は高く柔軟なので、装着に違和感が起こりにくいです。ただ、保険適用の入れ歯と機能に差があるわけではないため、強度に難があり、固いものを噛むと壊れやすくなります。

マグネットデンチャー

磁性体を天然歯や人工歯の頭へ上下取り付けて入れ歯を固定するため、安定性は高いです。ただし、噛み合わせによって歯根の破折のリスクや入れ歯の修理がしにくいことがあり、磁力により全身の状態を確認する検査（MRI）を受ける際は、事前に連絡を行わなければなりません。

入れ歯のメリット・デメリット

入れ歯治療を行う際は、メリットやデメリットを両方とも知ったうえで判断しましょう。

メリット

• ブリッジは支台となる歯を削る処置が必要だが、入れ歯は他の残存歯を削る必要がない
• インプラント治療は麻酔をしてオペを行う必要があるが、入れ歯には必要ない
• 他の義歯治療と異なり、入れ歯の治療法によっては着脱が可能である
• 入れ歯のお手入れを患者さん自身で行うことができる

デメリット

• 他の義歯治療に比べて安定性が低い
• 入れ歯を装着して噛んでも刺激が伝達せず顎の骨がやせてしまう
• 部分入れ歯の場合、両隣の歯に金具をかけるため支台歯の負担を大きくさせてしまう
• 入れ歯のお掃除をきちんと行わなければ細菌が繁殖して不衛生である

入れ歯のメンテナンスの重要性

入れ歯を長期間快適に使用するためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。患者さん自身が行う日々の手入れだけでなく、歯科医での健診や調整も重要です。

メンテナンスのポイント

定期的な健診

入れ歯は時間が経つと口の形に合わなくなることがあります。そのため、定期的に歯科医で調整を受けることで、快適さを維持できます。

歯磨きと歯垢の管理

入れ歯も口の中にあるため、清潔に保つ必要があります。歯垢が蓄積すると口臭や感染症の原因になることがありますので、しっかりと歯磨きを行うことが大切です。

入れ歯を快適に使うためのアドバイス

入れ歯を快適に使い続けるためには、初期段階でのケアが非常に重要です。以下の点に注意しましょう。

最初の違和感を克服する

入れ歯を装着してしばらくは違和感があることが一般的です。これは慣れによって解消されることが多いため、焦らずに使い続けることが大切です。

適切な調整

違和感や痛みが続く場合は、早めに歯科医に相談して調整を行ってもらいましょう。

まとめ

義歯治療で入れ歯を選択する場合は、治療にあたる医院の方針や取り扱いの入れ歯、治療法のメリット・デメリットをきちんと説明してもらいましょう。しっかりと理解したうえで入れ歯治療をを選択されたならば、保険適用内の入れ歯で費用を安くするのか、保険適用外の入れ歯を作製して噛みやすさや、審美性、安定性を高めるものにするのかなど患者さん自身の選択基準を明確にしておくことです。また、入れ歯を作った後は、定期的に歯科医院へ通院し、メインテナンスすることも大切です。