審美歯科の選び方はどうすれば良いのでしょうか。審美歯科とは何か、選び方のポイントについてご紹介します。
審美歯科とは
審美歯科とは、歯やお口元をきれいに美しくすることを重要視した医療分野の一つです。歯や口元を美しくする治療を行うと、歯の美しさに自信が持てるため、精神的な健康が保てます。ただ、健康増進のためのむし歯治療とは異なり、歯を美しくするための審美歯科は自由診療の対象となり、保険適用できません。
以下は、審美歯科で代表的に行われる治療内容です。
1. ホワイトニング
ホワイトニングは、歯を白く明るくするための治療です。コーヒーやタバコなどの嗜好品による歯の黄ばみを改善することができます。ホワイトニングには、歯科医院で行う「オフィスホワイトニング」と自宅でできる「ホームホワイトニング」の2種類があります。歯の色に悩む患者さんにとって、ホワイトニングは手軽で効果的な治療法です。
ホームホワイトニング
- 歯の形に合ったマウスピース型のトレーを作製し歯科医院で指導を受け、処方されたホワイトニング薬剤をご自身でトレーに入れ、一定時間装着するホワイトニング
- 即効性はないが、ゆっくりと浸透するため、長い間白い美しさを維持できる
オフィスホワイトニング※当院では取り扱いしておりません
- 歯科医院で歯科衛生士がホワイトニング薬剤を患者さんの歯に塗布し、歯を白くするホワイトニング
- 早く白くしたい方におすすめだが、白さを長く保つことは難しい
2. セラミック治療
セラミック治療では、詰め物や被せ物をセラミック素材で作成し、自然な歯の色合いと美しさを再現します。特に、金属アレルギーを避けたい方や、銀歯の見た目が気になる方に人気があります。セラミックは耐久性が高く、長期的な使用にも優れています。
自費診療の詰め物
●セラミックインレー
陶器と同じ材料から作製され、変色が起きず審美性が高い
●ゴールドインレー
白金加金で強度があり、口腔内に溶け出すリスクは最も低い
自費診療の被せ物
●オールセラミック
陶器と同じセラミック100%から歯科技工士により作製され、透過性があるため前歯におすすめできる
●ジルコニアセラミック
二酸化ジルコニウムという材料から歯科技工士により作製され、奥歯に使用できる程強度がある
●セレッククラウン
CAD/CAMというコンピューターがセラミックの塊から歯の形に作製され、審美性にはやや劣るが費用は安い
3. ラミネートベニア
ラミネートベニアは、歯の表面に薄いセラミックのシェルを貼り付ける治療法です。この治療によって、歯の色や形、すき間を整えることができます。短期間で見た目を改善できることから、多くの患者さんに選ばれています。特に、ホワイトニングでは改善できない深い着色や小さな歯の欠けに有効です。
4. 歯列矯正
歯並びを整える矯正治療も審美歯科の一部です。ワイヤー矯正やマウスピース矯正、裏側矯正など、目立たない方法で歯列を整えることができるため、見た目を気にする成人患者に適しています。特に歯の審美性を向上させる目的で矯正を希望する方が増えています。
セラミックによる矯正
- 歯を動かす歯列矯正と違い、歯を削ってセラミックを被せることで、綺麗な歯並びにする治療法
- 長い治療期間を経て歯並びを良くする歯列矯正よりも、短期間で整えることができる
- 噛み合わせを改善はできず健康な歯を削るため、歯の健康寿命としては歯列矯正と比べてリスクが高い
5. ガミースマイルの治療
ガミースマイルとは、笑ったときに歯茎が過度に見える状態を指します。審美歯科では、ガミースマイルを改善するための外科的処置や歯肉の形を整える治療が行われます。これにより、笑顔のバランスが整い、より自然な笑顔を手に入れることができます。
6. 歯のクリーニング(歯石取り・ヤニ取り)
重度の歯石やヤニに対しては、定期健診時のクリーニングでは落としきれませんので、自由診療でのクリーニングとなります。
歯科医院での歯のクリーニングは、国家資格を持つ歯科衛生士が患者さんの歯や歯肉、歯周ポケットの状態を確認し、つるつるの綺麗な歯に仕上げるため、専門器具で歯石や歯垢、バイオフィルムやステインを除去します。ちなみに当院では、歯に細かい粒子と水を吹き付け、汚れを取り除くエアフローという器械を使用しています。
審美歯科の選び方のポイント
- カウンセリングで患者さんのお悩みを聞くことを大切にしている医院か
- 様々な治療の選択肢のある医院か
- 治療例が多くある医院か
- 新しい設備などの医院の治療環境が整っているか
- アフターフォローがしっかりしている医院か
患者さんのお悩みやどのような美しい歯を目指すかも含めてしっかり相談できる医院を選ぶことは重要です。治療実績の多い医院は技術が安定していることが多く、医院の設備(歯科用CTやレントゲン、クリーニングの器械等)が充実していれば、安全に治療を受けることができます。そして、自費の詰め物や被せ物治療に対してはアフターフォローとして保証期間を設定している医院を選ぶことが大切です。
まとめ
綺麗な歯やお口元になることで、第一印象をより良くすることができます。審美歯科を検討される際はできれば複数のクリニックへ通院し、信頼関係のおける技術や環境の整った医院であるか、確認しましょう。