インプラント

インプラントは高い?それだけの価値がある?

インプラントは高い?それだけの価値がある?

茨木クローバー歯科・矯正歯科 歯科医師 脇田 悠仁

歯を失った後の治療法を決める時に、費用はとても気になるところです。インプラント治療は保険がきないために決して安くありません。インプラント治療を考えている方は、インプラントが高い治療費に見合うものかどうかを理解し、納得したうえで治療を受けるようにしましょう。

インプラント治療の費用に含まれるもの

インプラントは他の歯科治療と比較して、特に高額な治療方法として知られています。その理由は、治療に必要なさまざまな要素が費用に反映されているためです。

インプラント本体のコスト

インプラントの材質は非常に耐久性があり、チタン製が主流です。この材質は体に優しく、長期間使用できることから高価です

手術費用

インプラントを顎の骨に埋め込むためには外科手術が必要です。手術自体は高度な技術を要し、手術の規模や必要な材料に応じて費用が変動します

治療計画の作成と診断費用

インプラント治療では、事前にCTスキャンやレントゲンを使って詳細な診断を行い、正確な治療計画を立てます。これらの診断過程にもコストがかかります。

人工歯の製作と装着

インプラント上に装着する人工歯も、高品質な素材と技術を用いて製作されるため、費用がかさみます。

このように、インプラント治療の費用にはさまざまな要因が含まれており、それぞれが治療の品質や結果に直結しています。

インプラント治療が高い理由

インプラントと天然歯の違い

インプラント治療が高いのには相応の理由があります。主な理由についてご説明します。

1.外科手術が必要なため

インプラントは外科手術が必要で、歯科医師が高度な技術を習得し、手術に適した環境の整備をするためには、一般歯科よりも多くの費用がかかります。

2.インプラント体などの特別なパーツが必要

インプラントの構造

インプラントに使用されるインプラント体(人工歯根)、アバットメント、上部構造などの各パーツは特殊な加工がされており、治療費の中にはこれらの費用も含まれています。

3.保険がきかない自由診療である

インプラントは保険がきかない自由診療なので、治療費が全額自己負担になります。保険適用の治療では一般的な会社員の方で、治療費全顎の3割が自己負担となりますが、自由診療では全額が自己負担です。

4.CT等の検査代が必要

歯科用CT

安全にインプラント手術を受けるためには、CT撮影などの検査が必要で、検査代がかかりますので、合計するとかなりの金額になってしまいます。

他の治療法と比較したインプラントのメリット

インプラントが高額である一方で、その多くのメリットが治療の価値を証明しています。他の治療法(例えばブリッジや入れ歯)と比較しても、インプラントには多くの利点があります。

自然な見た目と感触

インプラントは、まるで自分の歯のように自然な見た目と使用感を提供します。一方、入れ歯は不自然に感じることが多く、日常生活において違和感を感じやすいです。

咬む力の回復

インプラントは顎の骨にしっかり固定されるため、自然の歯と同じように食べ物を噛むことができます。ブリッジや入れ歯では、咬む力が弱くなる場合が多いです。

他の歯を守る

ブリッジの場合、隣の健康な歯を削る必要がありますが、インプラントはそのような犠牲を伴いません。また、インプラントは歯がない部分の骨の退縮を防ぐ役割も果たします。

これらの点から、インプラントは長期的な歯の健康維持や生活の質の向上に大きく貢献してくれる治療法といえます。

インプラントを安くする方法

医療費控除

インプラント治療を少しでも安く受けるための、直接的な方法はないのですが、医療費控除を受けることで、治療費は少し軽減されます。

医療費控除は国が儲けている控除のひとつで、年末調整や確定申告の際に1年間に使った医療費を申告することで、支払った所得税の一部が戻ってくるという制度です。

1.1年間にかかった医療費が総額で10万円以上になった場合、10万円を超えた部分の金額が還付される(総所得金額が200万円未満の場合、総所得価格に5%をかけた金額が還付される)

インプラントは1本20万円~50万円くらいしますので、医療費控除の対象になります。インプラントを埋入するためにおこなった骨増生手術などの治療も医療費控除の対象となります。

1年間でかかった医療費の総額を申告する制度なので、歯科以外の医療費や薬代も合算して申告することが出来ます。このように、医療費控除を使えば、所得税から還付された分だけ、結果的にインプラントの治療費を安くすることが出来ます。

デンタルローンで手軽な分割払いをする

ローン

歯科医院では各種ローンの取り扱いをしています。インプラントについてもデンタルローンの使用が可能ですので、費用を分割で支払うことが出来ます。

デンタルローンはインプラント治療を受ける歯科医院で手続きを行い、月々の支払価格を抑えて無理のない支払いスケジュールを決められます。ローンには審査がありますので、もし審査に落ちたら・・と心配になるかもしれません。

デンタルローンの審査に落ちた場合は、歯科医院にもよりますが、独自の分割プランをもっている場合がありますので、歯科医院に相談してみましょう。当院では金利手数料がないプランをご用意しています。

格安インプラントってどう?

格安インプラントで良く聞くのは、安い値段に魅力を感じてカウンセリングを受けに行ったところ、「あなたの場合はこの価格では治療できません」と、かなり高い金額を提示されたというものです。

または、上部構造にプラスチック製の被せ物を使っており、セラミックにしたければ治療費の総額が10万円以上も高くなるというものです。

インプラントの治療費が高いのには理由があるのと同様に、安いのにも理由があると思った方が良いです。また、格安インプラントで治療をして、失敗した際に、保証がきちんとされるのかもチェックする必要があります。

治療費を安くしたい一心で格安インプラントを選んで、後悔することのないように、その内容をきちんと調べる必要があります。

インプラントは高いのかに関するQ&A

インプラント治療が高い理由は何ですか?

インプラント治療が高い理由は、外科手術が必要なため、特別なパーツが必要であるため、保険がきかない自由診療であるため、CT等の検査代が必要なためなどがあります。

格安インプラントにはどのようなリスクがありますか?

格安インプラントのリスクとしては、安い値段に魅力を感じても、実際に治療ができない場合があることや、上部構造にプラスチック製の被せ物が使われる場合があり、セラミックに変更すると追加費用が発生することなどが挙げられます。また、保証がきちんとされているかも確認する必要があります。安価な選択をする際は慎重に検討することが重要です。

インプラント治療を安くする方法はありますか?

インプラント治療を少しでも安くする方法としては、医療費控除を利用することが挙げられます。医療費控除は、年末調整や確定申告において申告することで、治療費の一部が所得税として還付される制度です。

まとめ

インプラントの模型

インプラントは高額な治療ではありますが、適切なケアを続けることで長くもちますし、何より良く噛めます。見た目の審美性にも優れていますので、値段が高くてもそれだけの価値のある治療です。

しかしインプラントは歯周病菌には弱いため、毎日のセルフケアを丁寧に行い、年に数回のメンテナンスはしっかりと受けるようにしましょう。

この記事の監修者
医療法人真摯会 茨木クローバー歯科
院長 脇田 悠仁

徳島大学 歯学部卒業卒業。日本口腔インプラント学会。日本成人矯正歯科学会。日本臨床歯科学会(大阪SJCD) 学術委員・査読委員 兼任。日本臨床CADCAM学会。

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