銀歯をセラミックの白い歯にしたい方にメリット・デメリットを含めてご説明します。
銀歯をセラミックの白い歯に変えるメリット・デメリット
銀歯をセラミックの白い歯に変える場合の、見た目以外のメリット・デメリットをご説明します。
銀歯をセラミックの白い歯にするメリット
1. 二次虫歯になりにくい
銀歯と歯の境目には隙間が出来やすく、そこから虫歯菌が内部に侵入すると、被せ物の下で二次虫歯が起こりやすくなります。セラミックの場合は歯との境目が出来にくいため、二次虫歯のリスクが低くなります。
銀歯が二次虫歯になりやすい理由
銀歯が二次虫歯になりやすい理由は主にいかのようなものです。
1. 銀歯と歯の間に隙間が生じやすい
銀歯は、時間が経過するにつれて、詰め物・被せ物自身や接着剤に劣化が起こり、歯との間にわずかな隙間が生じやすくなります。この隙間は、微小であっても細菌が侵入しやすくなり、その結果、銀歯の周囲や下で虫歯が発生しやすくなります。
2. 膨張と収縮
金属は温度変化によって膨張や収縮を起こしやすい素材です。飲食物の熱さや冷たさによって銀歯が膨張したり収縮したりすることがあり、これが繰り返されることで、歯との接着面に微細な隙間が生じやすくなります。このような隙間から細菌が侵入し、虫歯を引き起こすリスクが高まります。
3. 虫歯の発見が難しい
銀歯の下や周辺で発生した虫歯は、レントゲン検査では見つけにくいことがあります。金属がX線を吸収するため、その下の虫歯を見逃しやすくなります。虫歯を発見するためには定期的な歯科健診が重要であるものの、検査で虫歯を見落としやすいという問題があります。
これらの理由から、銀歯を持つ人は、定期健診の受診と毎日の歯磨きを徹底して行うことが特に重要になります。
2. 金属アレルギーを起こさない
お口の中に銀歯があると、唾液にって金属イオン化し、体内に蓄積されます。すると、突然口腔内に赤みが生じたり、皮膚がかゆくなるという金属アレルギーの症状が起きることがあります。
セラミックは金属を含まないため、金属アレルギーにはなりませんし、金属アレルギーの方でも安心して使用できる素材です。
3. 銀歯では歯肉が黒くなる場合があるがセラミックではそれは起こらない
口内に銀歯があると唾液により金属イオンが体内に取り込まれ、金属イオンが歯茎に浸透すると、メタルタトゥーと呼ばれる状態になり歯茎が黒く変色することがあります。黒く変色した歯茎は元には戻らないため、レーザーなどで色素沈着を除去する治療が必要になります。
セラミックは金属を含まないため、色素沈着による着色が起こりません。
セラミックの白い歯にするデメリット
1. セラミックの場合は銀歯の場合より多めに歯を削らなければならない
セラミックは、金属の詰め物・被せ物の場合と比べて、歯を削る量が多くなります。
2. 神経を取らなければならない場合がある
銀歯をセラミックに替えるためには、銀歯にする際に削った場所を、更に少し削る事になるため、痛みが出る可能性があります。痛みが出ると神経を取る治療を先に行う必要があるため、通院回数が増えることになります。
3. 治療費が高い
セラミックの被せ物には1本ずつ費用が加算されるため、複数の本数を一度に治療する場合は、かなりの高額になります。
銀歯をセラミックに変える治療の流れ
- 歯医者さんへ行き、問診の際に銀歯を白いセラミックの歯に替えたいということを伝えます。
- 料金や治療計画の説明を受け、患者さんが同意してから治療を開始します。
- レントゲン撮影で、銀歯の下が二次むし歯になっていないかどうかを確認します。
- 銀の詰め物や被せ物を取り外します。
- セラミックを被せる場合は、少し歯の表面を削り、歯の型どりを行います。
- 1～2週間後、セラミックの詰め物・被せ物が技工所から歯科医院に届いたら、患者さんの歯に接着します。その後、見た目や噛み合わせを確かめて、問題がなければ治療は終了します。。
二次むし歯になっている場合は、先に虫歯の治療および神経の治療を優先してから審美治療となります。
セラミックの種類
セラミックには様々な種類があり、それぞれ特徴があります。
オールセラミック
100％陶器と同じ材質で歯科技工士が作製する歯です。歯の自然な白さに近い透明感のある美しさに仕上がり、変色せず、強度や耐久性にも優れているため前の歯に使用可能です。
ジルコニアセラミック
人工ダイヤモンドと呼ばれるジルコニアを使った歯科技工士が作製する歯です。噛む力が強くなる奥歯に向いています。
セレッククラウン
セラミックの塊をコンピューターで削りだして作製する歯です。機械で削りだすため、審美面で不自然に見えることがあります。
ハイブリッドセラミック（CAD/CAM冠）
セラミックとレジンを混ぜたものなので、厚みが少ない歯です。歯を削る量が少ないという特徴がありますが、対して強度や歯垢（プラーク）が付着しやすいです。費用は他のセラミックと比べて安くなります。
銀歯を白い歯に変えるメリット・デメリットに関するQ&A
銀歯を白い歯に変えるメリットは以下の点です。
1.白い歯にすることで見た目が美しくなります。また、セラミックや他の白い材料を使用することで、耐久性が向上し、経年劣化や二次むし歯のリスクを低減できます。
2.金属アレルギーを引き起こすリスクも低くなります。そして、金属イオンが歯茎に浸透して黒く変色することを予防でき、歯茎の美しさを保つことができます。
銀歯を白い歯に変えるデメリットは以下の点です。
1.セラミックの場合、他の治療法と比べて歯を削る量が多くなります。これにより、一時的な痛みや違和感が生じる可能性があります。
2.白い歯にするための治療費が高くなる場合があります。特に奥歯の治療には自費治療が必要となり、複数の本数を治療する場合には負担が大きくなることがあります。
銀歯が目立つ場合には、以下の方法で白い歯にすることができます。まず、審美歯科が得意な歯医者に相談し、カウンセリングを受けましょう。保険適用のCAD/CAM冠や樹脂、自費治療のセラミックなど、自身の歯の色と変わらない材料を選択します。治療費や計画について歯科医師やスタッフからの説明を受け、同意を得た後に治療を開始します。治療の流れには、銀歯の下に二次むし歯がないかの精密検査や、銀歯の取り外し、樹脂の詰め物やセラミックの被せ物の施術が含まれます。
まとめ
銀歯を白いセラミックに替える際のメリット・デメリット、治療の流れやセラミックの種類と特徴についてご説明しました。歯やお口でお悩みの場合は、早めに歯科医院へご相談ください。あなたにおすすめの治療方法をご案内します。
